目次
はじめに

台風22号・23号により被害を受けられた八丈島・青ヶ島の皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
被害状況をXでウォッチしていて、その甚大さに心を痛めています。復興したら、あの肉厚の椎茸をまた食べに行きたいと思っています。
11月上旬にNPOで八丈島を訪問する予定でしたが、現地の被害状況を鑑みて、今回の訪問は見合わせることになりました。
現地の皆様の安全と、一日も早い復興を心よりお祈りしております。
台風により住宅・家財に被害を受けられた方は、確定申告により雑損控除の適用が受けられる可能性があります。NPOのメンバーとして、訪島が可能になった段階で、現地でご相談を受けたいと考えています。
三宅島訪問(2025年10月16日〜19日)
事前に島の方にお話を伺い、三宅島は台風22号・23号による被害が比較的少なかったとの情報を得ていましたが、実際に現地を訪れてその様子を確認し、ひと安心しました。

今回の訪島では、主に地方税についてのご相談対応を行いました。
地方税には賦課課税方式(国・地方公共団体側が税額を計算する方式)のものが多く、納税者側からのアプローチには限界があり、土地家屋調査士・司法書士・税理士がタッグを組んでも、なかなか難しい問題ですね。
雄山登山と三宅島の自然
三宅島観光協会が主催する雄山火山体験入山775に参加し、2000年の噴火でできた陥没カルデラを間近で見ることができました。
金色に輝くハチジョウススキが斜面を彩り、火山の荒々しさと自然の美しさが共存する、まさに圧巻の景色でした。この貴重な体験を動画にまとめました。
三宅島観光協会および、丁寧に案内をしてくださったガイドの皆様、ありがとうございました。
防災レジリエンスについての調査
管理不全土地の調査とともに、島嶼部における防災レジリエンスについても継続して調査研究を行っています。
今回は、三宅島の火力発電所と風力発電施設を見に行きました。

火力発電所は予想以上にコンパクトな施設でした。
次に、東京都の次世代再生可能エネルギー技術社会実装推進事業で採択され設置された、風力発電機を見に行きました。
設置場所は明示されていませんでしたが、そこはそれ、風車の写真の背景を見れば、そこがどこだかわかる程度には、三宅島に通っています。
・風力発電機の仕様

・風力発電
垂直軸型サボニウス式風力発電機
定格出力100w
・太陽光発電
定格出力200W
単純な出力比較ではソーラーパネルが上回りますが、ソーラーパネルは日没後に発電できないのに対し、風力発電機は風があれば24時間発電が可能です。
風力発電機とソーラーパネル、この2つの電源を組み合わせることで、相互に補完する発電機が構築できる、という考えで、この組み合わせのテストをしているのかな、と思いました。
・課題
一方で、風力発電機には常に摩擦が発生している駆動部分があるため、定期的なメンテナンスが必要です。
三宅島のように過酷な環境下で、メンテナンスフリーで10年スパンで安定稼働する風力発電機を開発できるのか。
また、専門スキルを持つ技術者による定期点検が必要となると思われ、それが島嶼部、特に訪島が難しい島への展開においてハードルとなるのではないかと思いました。
・今後の展望
三宅島だけの話ではなく、島嶼部で発電所が1箇所しかない場合、そこが災害で停止すると、島の電源供給が停止してしまいます。電源がないと、ポンプが動かせないため、水道も止まってしまいます。
防災レジリエンスの観点から、一箇所の発電所に頼らず、複数の電源ソースを確保することは有効な手段だと思います。
おわりに
今回の三宅島訪問では、税務相談業務だけでなく、島の自然と防災の課題について、色々な事を考える訪島になりました。
八丈島の一日も早い復興を祈りつつ、島嶼部における税務の分野で、引き続き貢献できるよう努めていきたいと思います。
