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やっとAIが仕事で使えるようになってきました

業務カイゼン
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この記事の趣旨

最近ChatGPTを仕事で活用しているので、メモを残しておこうと思います。

AIスピーカーに幻滅し、ChatGPTに驚き。

「AIスピーカー」として初代Amazon Echo Dotが発売された当時、あまりの人気にAmazonでは抽選販売を行っていて、入手することが困難でした。

私は、Amazon Echoを、Star Trek TNGの戦艦エンタープライズのコンピュータのように、自然言語で「コンピュータ、**を〇〇しろ」と指示することで、様々な事が行える、夢のような装置なのではないかと期待していました。

しかし、運良く初期に購入して、色々と使ってみて、これが「AI」ではなく「bot」だとわかり、早いうちから幻滅してしまいました。

ChatGPTを始めとする新世代AIが出て話題になった際も、最初はAlexaの幻滅を引きずっていて、「どうせbotに毛が生えた程度だろう」と思っていたのですが、使うにつれて「ChatGPTは仕事で使える」と思うようになりました。

botとは

botは、チャットで、発言に対してデータベースを検索して特定の回答を返す、特定のショートプログラムの事です。

botの性能は、文章の中の接続語を認識して単語に分解する性能と、その単語を検索するデータベースの量で決まります。データベースに登録されていない単語には応答を返すことができません。

Alexaが「わかりません」「違う言い方でもう一度お願いします」ばかり回答するのは、データベースに無い回答を、データベースの情報を組み合わせて創造する能力が無いからです。

そういえば昔、IRCのRFCを翻訳したりしていました。ナツカシス・・・

データベースを増やすには膨大な労力が必要で、性能向上には限界がありました。

ChatGPTは嘘ばかりつくけれど

ChatGPTをなんとなく使い始めた頃、お勧めのラーメン屋さんを聞くと、存在しないラーメン屋をさも実在するかのようにリストアップするのを見て、「ゼロから回答を創造できる」能力に驚きました。

これは、Alexaのようなデータベースのサイズと性能が比例するbotとは全く違う「なにか」なのではないかと思いました。

その後、ChatGPTに対して質問をするテクニック(プロンプト)を知るにつれ、ChatGPTの強力な文章理解能力と文章生成能力が仕事に使える事がわかり、仕事で使うようになりました。

頭の中にあるアイデアや考えを文章化する時間を圧縮できるのが、非常に大きいです。

巷のニュースでは、AIで「奇抜なものが作れる」「人間ではできないものが作れる」事ばかりが取り上げられがちですが(そして既に飽きられ始めている気もします)、新世代AIは、現実の仕事に十分使えるし、私は活用しています。

ChatGPTは第三者目線

たとえば、相手との交渉でちょっと感情的になった時。

ChatGPTに、

  • 前提条件
  • 自分の考える着地点
  • 自分の意見と相手の意見
  • 相手を刺激せず問題を深刻化させない事
  • うまく問題を収束させたい事

等を指示し、文章を出力させます。

何度か生成し直させる事になりますが、最終的に出力された文章を少修正して使用します。

自力で文章を書くと、どうしても主観的な文章になってしまい、感情的なものも引きずってしまいますが、ChatGPTに生成させると、第三者が作成する文章なので、ある程度客観的になり、冷静に思考することができるようになります。これが大きいです。

優秀な秘書に「あの回答文章を書いておいて」とお願いしているイメージです。客観的になれることで、プロセスではなくゴールを取る事ができます

突然のスピーチの時

先日、ある総会で突然「あとで1分あげるから、あなたの部の事業計画を話してください」と無茶振りされました。

全く準備していなかったのですが、事業計画自体は頭の中にあったので、その場でスマホでChatGPTに条件・計画概要・スピーチ時間等を指示し、3度くらい訂正させた文章をそのまま壇上で読み上げて、滞りなく総会を終えることができました。

ChatGPTとBardの違い

ChatGPTは主に文章作成に使用していますが、検索にはGoogle Bardをスマホの音声入力で使用しています。

Google BardもChatGPTと同様の新世代AIですが、こちらは、Googleの検索結果を元にしているため、かなり正確な情報を表示することが可能です。

つまり、夜、食事がしたい時に、音声入力で「この付近で800円以下で定食が食べられるお店と、その閉店時間をリストアップしてください」といった検索ができるわけです。

Googleで目的の検索結果を表示するには、ある程度テクニックがあったのですが、Google Bardなら、自然言語で検索して、検索結果をさらに絞り込んだり条件変更したりといった事が可能です。

長文を生成する事が得意なChatGPTと違い、Google Bardはリストアップする事が得意な印象があります。

AI時代の税理士

一般的な経営相談であればAIに聞けば十分、という時代がやってくる(きている)ように思います。

先日ふと思いついて「資金が少なくても立ち上げられ成長性があるビジネスと、その立ち上げ方の概要を教えて」という風な(実際にはもう少し複雑ですが)プロンプトを入力してみたところ、ううむ、と唸るような回答が出てきました。

このレベルの回答ができるのであれば、ことスモールビジネスの一般論においては、税理士やコンサルに対して経営相談する必要性がグッと減ると思います。

税理士は、より高度でAIに(今のところ)真似できない知恵と知識を学び、それ武器に、AIを使いこなして、顧問先に寄り添う伴走支援が行えるようになる必要があると思います。

私も頑張ります。