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ふるさと納税と地域振興

税務の視点
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この記事は、以前あるところで書いた記事を元に再構成したものです。

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今回は、ふるさと納税を取り巻く近況について、お話したいと思います。

6月に入ると、住民税の決定通知書がお手元に届き始めるようになります。住民税の決定通知書を元にすると、ふるさと納税をどのくらいすればよいか、シミュレーションができるようになります。給与所得者のように、毎年の収入が一定の人は、シミュレーションしやすいですね。

様々なメディアで取り上げられている通り、ふるさと納税について、総務省から各都道府県に通知があり、過熱気味の返礼品競争に歯止めをかけようとしています。

具体的には、

  • 総務省が、返礼品がふるさと納税制度の主旨に合致しているかを把握すること
  • 高額な返礼品を控えること
  • 寄付金に対する返礼品の価格割合が3割を超えないこと
  • 都道府県が、その住民に対して、ふるさと納税の返礼品を送付しないこと

などの通知が行われています。

ふるさと納税とは?

ふるさと納税自体については、詳しいサイトが沢山ありますので、簡単な説明にしておきます。

ふるさと納税は、所得税の「寄付金控除」の仕組みを使った寄付の一環であり、自治体に寄付をした金額(2,000円控除後)を、所得から控除できる、という特典があります。

これに加えて、寄付をした自治体から返礼品が受け取れるため、ふるさと納税は、他の寄付をするよりもお得とされています。

ただ、無制限に所得から控除できるわけではなく、所得の合計額(課税標準の合計額)の40%が上限になります。

寄付金の額が、課税標準の合計額の40%を超えると、それ以上ふるさと納税をしても、寄付金控除額は変わりません。

地方公共団体への寄付金なので、ふるさと「納税」ではなく、ふるさと「寄付金」と言うのが、本来は正しいと思います。

返礼品と地方経済活性化

ふるさと納税は、寄付金により自治体の財政状態が直接改善する効果に加え、返礼品が地元の特産品である場合、地場産業にもお金が流れます。

自治体が返礼品を生産しているわけではなく、税金で地元企業から物品を購入して、それをふるさと納税をした人に送付しているわけです。

これにより、地元企業の売上・収益が上がり、その企業が自助努力で設備投資をし、成長していくというストーリーです。これは、従来型の各種補助金・交付金のバラマキよりも、より望ましい地元企業支援の形と思われます。

ただし、何事もやり過ぎは良くないわけで、自治体が市場価格よりも大幅に高い金額で返礼品を購入したり、高価な海外電化製品を返礼品にしたり金券を配ったり、寄付金のほとんどを返礼品購入に使ってしまうのでは、本末転倒です。

ふるさと納税の主旨を逸脱しないよう、適切な制度として運用できないのであれば、廃止することも検討しなければならなくなるでしょう。

プレミアム商品券について

ふるさと納税と似たような効果を持つ制度に、プレミアム商品券があります。

プレミアム商品券とは、国もしくは地方が、額面に一定のプレミアムを補助して発行される商品券です。

ふるさと納税は、自分の住む自治体から返礼品を受け取ることができませんが、プレミアム商品券は、逆に、自分の住む地域でのみ使えます。

プレミアム商品券には、プレミアムが30%を超えるものなどがあり、発売日の朝には、郵便局に行列ができる所も見られます。

使用期限があることや、地域限定であることなどから、発行されたプレミアム商品券は、期限内にほぼ必ず地元で使用される為、その地域の経済活性化に繋がります。

ふるさと納税のススメ

ふるさと納税は、

  • その地域の子育てや教育・まちづくりなどを直接応援することができる
  • 特産品などの返礼品で、その地域に親しみが湧く
  • さらに所得控除も受けられる

という、とても良い制度だと思います。

自治体によっては、寄付金の使い道を指定できる所もあります。

ふるさと納税の寄付先を調べることで、その自治体はどのようなところなのか、色々知るきっかけにもなります。

ふるさと納税を特集したカラフルな雑誌が、色々と発売されていますので、まずは、それをご覧になるだけでも、楽しめるでしょう。

ふるさと納税をした後は、ふるさと納税の証明書を、確定申告の時まで大切に保管しておきましょう。ふるさと納税ワンストップ特例を使用する場合は、その申請書を忘れずに提出しましょう。