2024/9/19(日本時間では20日)、Immersed Visorのキーノート・ハンズオンデモイベントが開催され、いままでCGデータやモックアップでしか見ることができなかったVisorの実働品が公開されました。
待ちに待った実物公開ということで、リアルタイムでライブ配信を見ましたので、英語が聞き取れた範囲で、情報を整理しておきます。
以前書いたImmersed Visorの記事はこちら。
目次
Visorの設計思想について
いままで公表されていた画像は、このようなものでした。スラッとして、サングラスに近いクールな感じ。
- 技術をかき集めてできるだけ小型化しようとしても、現時点ではサイズが大きくなってしまう
- それは他のメーカーが既にやっていることなので、Immersedがやる必要はない
ということで、Visorはかなり割り切った設計になっています。
Immersed Visorのターゲットユーザ
リフレッシュレートは追求していないため、FPS等のゲームには向いていなさそうです。まぁ、ゲームがしたいユーザ層はPSVR2等を買ったほうが幸せになれるのではないでしょうか。
Immersedが注目したのは、VRでコンピュータスクリーンを表示して、仕事で使う人が増えているという所で、ターゲットは、毎週30〜50時間、机に座ってVRを仕事で使うユーザだそうです。
Immersed Visorのデザイン変更
そこで、なるべく軽い本体重量を実現するため、
- 本体とバッテリーを分離し、有線で接続する(モックには無かったケーブルが付いた理由)
- Wi-FiやBluetoothの通信モジュールも本体から分離して、バッテリーパック一体型とする
事で、本体重量を少しでも軽くしたとのこと。
有線ケーブルがちょっとアレだなぁ、と思うのですが、フロントヘビーな本体を後頭部で留める役割もあるようなので、仕方ないですね。何も無いと、たぶん本体重量に鼻が耐えられず、ズリ落ちると思います。
公開された実働品(まだプロトタイプとのこと)では、このような配線になるようです。ワイヤーがなぁ・・・
ケーブルは、首の後ろで束ねるタイプ。束ねているパーツを頭の後部で締めることで、ヘッドバンドのように固定するようです。
使い方としては、
- 普段は有線で、Visor→バッテリーパック→PCという順に接続して仕事をする
- ちょっと離席したい場合に、バッテリーパックとPCを切り離して、Wi-FiやBluetooth接続に切り替えて、Visor→バッテリーパックだけ持って移動する
という有線・無線切り替えを想定しているそうです。
この画像からすると、本体部分と、眼鏡のツルの部分との接合はUSB-Cのようですね。
抜き差ししているうちに緩くなって、ポロッと前に落っこちたりしないですかね・・・切り欠きの向きは、反対(/)にしたほうがいいのではと思ったりします。
光学部分は、結構厚みがありそうです。
プリズムで画面投影するARグラスと違い、カメラで撮影した映像を表示してパススルーを実現しているので、光学部が厚めなのは仕方のない所かと思います。
Immersedが目指している未来
Immersedが目指している未来は、メガネを掛ければオフィスにテレポートし、夕食の時間には自宅に戻ることができる世界だそうです。いいですね、それ。
夕食時に自宅に戻る必要があるかどうかは別として、場所に依存せず、どこでも同じ仕事ができるようになれば、働き方がガラッと変わると思います。
リモートワークからオフィス出勤への回帰がニュースになっていますが、そもそもオフィスがVR空間にあればいいのではないかと思います。
Visorでは、ラップトップを起動して5秒で画面表示される位の起動速度を目指しているそうです。
「リンクスタート!」と叫んでる時間でログインが終わって、VR空間に立っている感じのアレですね。
VRゴーグルの電源を入れてからVR空間にアクセスできるまでに何分もかかるのであれば、その間にスマホでサッと処理して片付いてしまう用事も多いと思いますので、実現したらいいなと思います。
今回のキーノートを視聴してみて、まだまだ調整が必要なようですので、製品版が出荷されるまでには、もうしばらくかかりそうだな、という印象です。Immersedさん、遅くなっても待ちますので、クオリティアップ頑張ってください。
あとは、以前問い合わせた通り、技適に対応してくれることを祈ります。
2024/9/25 追記
IRLでうまくデモができなかったフォローアップで、Immersed Visorブログが更新されました。
IRLイベントでVisorの動作デモができなかったのは、6DoF(Six Degrees of Freedom)のトラッキングがうまく動作しなかったからとのこと。
6DoFとは、
- 前後
- 左右
- 上下
- ピッチ(上下方向の回転)
- ヨー(左右方向の回転)
- ロール(前後方向の回転)
の事で、VRヘッドセットは、この6DoFをトラッキングして、VR空間内でも自然な動きを再現しています。これが不自然だと、VR酔いが起こったりします。
現在もfixが続けられているそうで、1ヶ月程度でライブデモができるようになるとのこと。
楽しみです。